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無垢材とは?

こんにちは。
アルブル木工教室の米地です。

無垢材という言葉、ご存知でしょうか?

無垢の木材、ということで、普通の天然の木材のことを無垢材といいます。

普通の木材のことをわざわざ無垢材というのは、そうじゃない木材がいろいろとあるからです。

天然の木というのは温もりがあるとか、調湿作用があるとか、見た目にも優しいとか、良い点はたくさんあるのですが、その一方欠点というか、天然の木独特の特徴があります。

まず第一に反ったり割れたりします。

金属とかプラスチックではそんなことはないですよね?
もちろん高熱を加えると鉄だって真っ赤になって曲げたりもできますが、通常使っている分にはそんなに反ったり曲がったりしないですよね。

でも木は水分を吸ったり出したりする過程で伸びたり縮んだり、反ったり曲がったりします。調湿作用があることの裏表ですね。

※木が呼吸することについては以下のコラムをご参照ください。
読み物『木は呼吸をしている?』

でも家や家具などを作っている過程でその素材が変化する、というのは素材としてかなり問題なわけです。

日本の大工さんは長く木と付き合ってきたので、曲がることを予測して使うとか、縮むことを前提に加工するとか、技術でそれをカバーしてきました。

私の好きな木にまつわるお話で、宮大工の西岡棟梁の話があります。

薬師寺の東塔の全面修理を任され、それが完成したとき、西塔より1メーターほど高かったんですって。

施主はなんで高さが違うんだ!と怒ります。

すると西岡棟梁は、今はちょっと高いけど、100年もすると組んでいる木がそれぞれなじんで来て、ちょうど同じ高さになるように作ってるんです、とのこと。

つまり100年先を考えて造っているんですね。

少し話がそれましたが、そんな宮大工のような技術をみんながみんな持ってるわけではありません。

そこで、狂いの少ない木材が開発されることになります。

細かい木を貼り合わせて一枚の板にすることにより反りにくくする集成材、薄くスライスした板を重ね合わせてつくる合板、木を細かく細かく砕いてそれを再び固めて板にするMDFなどなど。エンジニアリングウッドとも言われるものがたくさん開発されています。


※左が合板、右がタモの集成材

それらが増えてきたために、そうじゃないもともとの天然の木材を区別するために無垢材という言葉が使われるようになりました。

どちらが優れているとか劣っているとかいうことはありません。用途に合わせて使い分けるという感じでしょうか。

例えば体育館のような大きな建物を無垢材でつくるとなると、何百年もかかって育った木がたくさん必要で、できあがるのに何年かかるわかりません。でも集成材ならそんな大きな構造材も作ることができます。

無垢材は削っても切っても天然の木そのものなので、削って綺麗に加工しなおしたり、使えば使うほど味がでてくる、という自然の良さがあります。

値段を考えると、育つのに何十年何百年かかる無垢材は大きなものほど高価になり、大きなものも作ることができる集成材のほうが安くなります。

逆に、小さなものだと人の手間がかかっている分集成材などのほうがが高くなり無垢材のほうが安くなる傾向にあります。

木の使われ方はほんとにいろいろです。
どんな場所にどんな木が使われているのか、それは無垢材なのか違うのかを考えながら見てみるのも新しい発見があって面白いですよ!

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