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あさり(歯振)

木材用語の基礎知識

あ行-あ

あさり(歯振)

ノコギリには”あさり”があります。
ノコギリのあさりという言葉を聞くのが初めてという方もたくさんいらっしゃると思います。

ノコギリは小さな刃物がたくさん並んでいる道具です。一枚の刃物では切りにくいものでも、たくさん集めて並べるとその数の分だけ一枚のときよりもずっと楽に切れる、という道具です。

小さな刃物が並んでいるのですが、まっすぐにならんでいるわけではありません。下図のように一枚一枚左右にずれてならんでいます。

あさりは漢字で書くと歯振とかきますが、刃(は)を左右に振り分けているから歯振と書くのだと思われます。

では、何故まっすぐに並べずに左右に振り分けているのかといいますと、ノコギリで切れていく道を広げるためです。

刃が左右に振り分けられてなければ、ノコギリの切れていく巾、これをノコギリを引く道とということで引き道ともいいますが、この引き道の巾はノコギリの刃の厚みとイコールになります。

そうすると、ノコギリで切ったときに出てくるおが屑が引き道と刃物の厚みが同じだと逃げる場所がなく詰まってしまいます。詰まるとノコギリを引くことができなくなり、木を切ることができなくなります。


※ノコギリで切るとこのようにおが屑が出てきます

ノコギリの引き道を広くしておが屑をそとに出せるようにするため、このあさりというのものはあります。

あと、木は切っている最中にも反ってくるときもあります。ノコの引き道が広がる方向に反ってくれれば切りやすいですが、引き道を締め付ける方向に反ってきた場合のこが締められて切ることができなくなります。引き道を広くするというのは、この切断面の締りを防ぐことにも役立ちます。

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